フィリピンに新幹線ができる可能性があるのかについてお話したいと思います。ちなみに、なぜフィリピンに新幹線ができるかの記事を書こうかと思ったかですが、つい最近、このブログの訪問者が急速に増えたからなんです。まあ、2~3日だけだったのですが。
訪問者が増えた理由があるテレビ番組でフィリピンの高速鉄道をテーマに放送されたからのようでした。その番組がテレビ東京の『未来世紀ジパング【反中渦巻くフィリピン 日本の鉄道が大逆転!】』
コピーライター、WEBコンサルタントという仕事がら、急にブログのアクセスが増えたり、どんなキーワードで訪問されたのだろうということが気になるんですね。で、実際にどんな検索キーワードでの訪問者が多かったかというと・・・
<フィリピン 高速鉄道>
でした。
そして、そのキーワードでGoogleに表示されるのが私が以前に書いたこの記事だったんです。
さらに私が注目したのは<フィリピン 高速鉄道>の次に多かった検索キーワードが
<フィリピン 新幹線>
でした。ということはフィリピンに新幹線ができる計画があるかを知りたい人が多いんだなと思い、私がいま持っている知識の中で、その可能性を探ってみたいと思います。
フィリピン新幹線は実現するのか?
フィリピンに新幹線ができる可能性ですが、前置きが長くなった代わりに結論から先にお伝えしてしまうと、どうやら今のところはなさそうだというのが私の考え方です。
以下、理由を述べていきますね。
候補となるのが上記の私の記事でも書いているように、ブラカン州のマロロス(Malolos)からマニラ首都圏のツツバン(Tutuban)間に敷設予定の鉄道で一応「南北通勤線事業」というプロジェクト名がついています。
一番進んでいる区間が上記の区間ということで、ツツバン以降は、マニラ首都圏南部に伸びる予定です。
この区間は、実は日本の新幹線が利用している「標準軌」という形式で線路が引かれる計画のようなので、線路だけを見ればフィリピンにも新幹線が走れそうな気がしないでもありません。
さらに言えば、JICAが実施した「マニラ首都圏の持続的発展に向けた運輸交通ロードマップ作成支援調査」の中の資料によると南北通勤線は高架線になるので、原則的に踏切が出来ないようです。
でもですよ、手元の資料によると、マロロスからツツバンの37.9kmの間に、ギグイント(Guiguinto)、ベラグタス(Belagtas)、ボカウー(Bocaue)、マリラオ(Marilao)、メイカウアヤン(Meycauyan)、ヴァレンズエラ(Velenzuela)、カローカン(Caloocan)、ソリス(Solis)と8駅、始発と終着駅も含めれば10駅ができることになります。
9区間で割ってみれば、1区間あたり4.2km。日本の新幹線の駅間隔は路線により多少違うようですが、平均すると32~33kmのようです。現在東京~上野間を除いた新幹線の最短駅間距離は新鳥栖~久留米の5.7kmだそうですが、それにしてもやっぱり南北通勤線の新幹線はなさそうですね。
ちなみに新幹線の定義ですが、「全国新幹線鉄道整備法第2条」によると、「その主たる区間を列車が200km/h以上の高速度で走行できる幹線鉄道」ということです。
バギオやバタンガスまで新幹線が伸びればいいな
個人的には、現在のフィリピンは日本の高度経済成長期の黎明期だと思うんですよね。しかもマニラ首都圏だけでも人口は1,200万人はいます。だとしたら、マニラの中心部から北は夏の首都と言われるバギオに向けて、南は戦略港が充実してきたバタンガスに向けてでも新幹線を作ればいいのになとは思います。
そして、新幹線に並行するように在来線をひいても、まだまだ需要はあるような気がするのですが・・・
需要はあっても、工事に追っつくような資金が確保できないんでしょう。事実、南北通勤線のようなプロジェクトは、まだまだ日本からの円借款のような援助がないと成り立たないようですし。
まあ、フィリピンの新幹線の予定は今のところありませんが、ぜひ鉄道網に限らずマニラの酷すぎる渋滞を解消するような交通インフラが早く整うことを切に願います。