タイ

ASEANの主要国である

タイの概略について調べています。

前回までの記事はこちらです。

→ 『タイがどんな国かを調べてみた

→ 『タイは国王を中心とする立憲君主制の国家

 

今回は<タイの経済>について

お伝えいたします。

 

タイ経済の概況

タイ経済は、全般的にみて、かなり

バランスのとれた産業構造と発展

遂げています。

 

1960年代に施行された産業投資奨励法

内外企業関係なく恩恵を受けることが

できるもので、これにより民間投資が

主導となる工業化が始まりました。

 

1985年プラザ合意を境に、

工業化の進展は本格化し、

 

タイでは外資を中心として、農産物加工、

自動車、電気・電子工業、繊維業等

まんべんなく工業化が進んだと

言えるでしょう。

 

その証拠に1980年代後半以後

アジア通貨危機の97年ほどまでは

平均成長率が8.8%という高成長を

収めました。

 

タイ経済の強み

タイ経済の強みは一言で言ってしまえば、

政府の外資に対する開放的な意識でしょう。

 

3点ほどタイ経済の強みを上げてみます。

 

外資にも優しい投資環境

世界銀行の資料によると、タイは

「ビジネスをやりやすい国」

順位で18位を取得しています。

 

具体的には、建設許可や電力供給の

しやすさ、そして各種司法手続きが

評価されているようです。

 

産業が集積されている

バンコク周辺に主要工業団地が集積

しており、サプライ関係がスムーズな

ことがこの利点です。

 

例えば、自動車メーカーなどは組立工場

が約20社、1次部品メーカーが700社以上、

そして2次以降の部品メーカーが、

1200社以上あると言われています。

 

デメリットは集中されているがゆえに

災害などが起こると一気に被害を

受ける点ですね。

 

2011年10月には大洪水が起こり、

一時期物流が止まったとのことです。

 

周辺国からの労働力を活用

まだ労働賃金が高まっていない、

カンボジア、ラオス、ミャンマーからの

出稼ぎ労働力が利用できる点は

強みです。

 

ただし、上記3カ国にしても

昨今投資環境が整いつつあるので、

この優位性は徐々に薄れていく

印象はありますね。

 

タイ経済の弱み

次にタイ経済の弱みですが、

致命的な弱みはない印象です。

 

労働力不足

これには2つの要素があります。

まず一つ目が、失業率の低下です。

 

ちょっと日本ではもはや考えられない

ですが、2011年以降のタイの失業率は

1%を切っています!

 

すごいですね。

 

その失業率の低さゆえに、

人も集まりにくくなるというわけです。

 

次の要素は単純に労働人口が

ゆるやかに減少していくということ。

 

国連の調査によると2018年から

減少が始まるようです。

 

国が発展してくると、

少子化の傾向になりますよね。

 

大衆迎合政治

2011年に誕生したインラック政権は、

いわゆるバラマキ政治をしている

ようです。

 

自動車購入者に対して過剰なる

補助金を配ったり、農家からコメを

買い取る「コメ担保融資制度」

実施したりする政策が、バラマキとの

印象が強いようです。

 

さらに2012年、2013年には最低賃金の

大幅引き上げもありました。

 

タイに投資する判断は、しばらくは

注意が必要なようです。

 

タイ経済にとっては正念場だと

言えるのでしょうか?

 

次回はそれも踏まえて、タイシリーズの

最終回となる<タイの今後の展望>を

お伝えいたします。