バリ(2007) 083

 

前回は、ASEAN主要6か国の

インドネシアについて概略を調べました。

→ 『インドネシアとはどんな国かを調べてみた

 

今回は<インドネシアの政治>について

お伝えしてまいります。

 

独裁政権から民主主義国家へ

インドネシアの政治について調べていて

驚いたことが2つあります。

 

ひとつは、民主主義だということ。

 

もう一つは、たった15年ほど前までは

独裁政権だったということです。

 

世界で3番目に大きい民主主義国

インドネシアはイスラム教徒が

9割以上を占めています。

 

なので、勝手に社会主義的な政治体系

と思っていたのですが、実は

バリバリの民主主義国家でした。

 

しかも人口が人口なので、インドネシアは

立憲共和制をとる国としては

インド、アメリカについで世界で3番目に

大きい国ということになります。

 

しかもびっくりしたのは

つい最近までは独立国家だったのに

今では順守されているかは別としても、

ひと通りの、民主主義国家としての法が

整っていることです。

 

98年までは独裁政権だった

インドネシアというと、私はバリ島を

訪れたことがあります。

 

私がバリ島を訪問したのは2007年でした。

 

バリというと2002年に死者202名を出した

自爆テロ事件を思い出します。

 

当然、バリ島旅行もテロの記憶は残っており

宗教関係でテロの絶えない国なんだな、

くらいにしか思っていなかったのですが、

 

今から考えると、2002年というのは、

まだ独裁政権から民主主義国家に

変わってから、わずか4年しか

経過していなかったんですね。

 

私がバリ島を訪問した2007年で

ようやく10年。

 

そう考えると、黎明期の国家なわけです。

 

トライ&エラーで確立された政治体制

ではどのようにして政治体制が

確立されていったのでしょうか?

 

私には実に参考になる部分があったので

シェアしてまいります。

 

現在のインドネシアの政治体制は

独裁であったスハルト政権崩壊から

合計4回の憲法改正によって

確立されています。

 

第1次改正

大統領の権限の抑制が主たる憲法改正の

目的です。

 

例えば、大統領の人事権外交権などの

権限が立法府との同意や権限により

制限されました。

 

また、それまでに制限がなかった

大統領の任期2期(1期5年)

限定されました。

 

第2次改正

国民議会の議員や地方自治体の首長や議員が

直接選挙により選出されることが

定められました。

 

その他には、いわゆる日本国憲法にも

定められている「基本的人権の尊重」

明記されました。

 

第3次改正

大統領の罷免の手続きや要件

そして大統領が国民の直接選挙により

選出されることが明記されました。

 

さらに司法の独立性も明記されたのです。

 

第4次改正は大統領選挙の具体的方法

などが決定されました。

 

こうして見ていくと、実に積み上げ式で

完成したところから法整備を

進めていっている様子がわかります。

 

完璧主義は先に進まないと言いますが、

まさに、インドネシアの政治体制は

トライ&エラーで進められたのかな

という気がします。

 

アウトプット重視は見習いたいと思います!

 

現在のインドネシア政情

2004年直接選挙で選出された

ユドヨノ政権下で、現在の政情は

比較的安定傾向を保っています。

 

理由は政治的不安を始めとした

税制・行政手続きの煩雑さ等の問題が

徐々に改善されてきたからです。

 

しかしながら2011年以降は、

民主党幹部による汚職問題なども発覚して、

順風満帆とまではいかないようです。

 

とはいえ、このような問題が明るみに

なる事自体が、さらなる民主化への

兆しなのかもしれませんね。

 

次回は、<インドネシアの経済>に

ついてお伝えします。