さあ引き続き「フィリピン経済の大枠」について

お話してまいります。

 

(1)フィリピン経済の国際競争力

(2)フィリピン経済を支配する財閥

(3)フィリピンの経済格差(←今回はココ)

(4)フィリピンの証券市場

(5)フィリピンとASEAN経済共同体(AEC)

 

今回は【フィリピンの経済格差】について

お伝えします。

 

格差問題の現状

マニラを訪問して驚くのが、

マラテ・エルミタあたりの繁華街を

真夜中に歩いていて、子供が無心に

寄ってくることです。

 

マニラのマラテ・エルミタというのは

日本だったら新橋や上野あたりに

あたるのでしょうか。

 

さすがに少し新し目のオフィス街である

マカティ界隈ではあまり見かけませんが、

マカティ市内でも、どこでも貧しい地区

というのは存在します

 

ではフィリピンの経済格差というのは

実際にどれくらいあるのでしょうか?

 

格差をあらわす指標として「ジニ係数」

いうものがあります。

 

ジニ係数は、所得分配の不平等の程度を

計る数値です。

 

数値は、0から始まり1に近くなれば

なるほど所得格差が大きくなります。

 

その数値で、フィリピン0.485と、

東南アジアでは際立って高いんですね。

 

上位の20%の所得が全所得に占める割合は

50.4%であることからも、富が一部の

国民に集中していることがわかります。

 

では経済格差の原因はどこにあるの

でしょうか?

 

農地改革の遅れにより工業化が進まなかったツケ

フィリピンの家庭に入り込むと、

本当にそこいら中で

 

「Walang Trabaho(仕事がない)」

 

という言葉を耳にします。

 

それも現代の日本のように40才を

過ぎてからの話ではなく、絶対的に

仕事の量が不足しているのです。

 

いったいその原因は何故なのでしょうか?

 

理由は複合的だとは思いますが、

大きなものの一つに、

「一般的な発展のプロセスを歩んでこなかったから」

 

というものがあります。

 

つまり第2次の経済発展を飛ばして

第3次産業の発展にプロセスが飛び石して

しまったのです。

 

現在フィリピンの強みである「人ビジネス」

つまりBPOやOFWは第3次産業に属します。

 

一般的な国土発展のセオリーでは、

農林水産業などの第1次産業

工業化の第2次産業を経て、

この第3次産業に到達します。

 

なぜ飛び石的にプロセスを踏んだかと言えば、

工業化に必要な外国企業の直接投資を

うまく招き入れられなかったことが、

一つの原因です。

 

直接投資を呼び込めなかった原因は

治安やインフラ整備の遅れ、腐敗政治に

対する不満や不安等たくさんありますが、

中でも大きいのが

 

【農地改革】

 

だったようです。

 

農地改革というのは、経済を語る上では

非常に大きな問題みたいですね。

 

フィリピンの農地改革だけをテーマに

とっても、数冊の本が出ています。

 

そのうちの一冊がこちら


かなりボリュームがありそうです。

 

アジアで農地改革に成功している

と言える国は、日本と、韓国台湾しか

ないようですが、そのいずれの国も

経済的には発展してますよね。

 

考えてみれば、前回お伝えした財閥にしても

この農地改革にしても、第二次世界大戦後

日本が克服してきた問題にほかなりません。

 

専門的なことは私もわかりませんが、

ぜひこのあたりも学んでいきたいですね!

 

どれだけフィリピンフリークなんでしょ、私(笑)
ということで、今回は

<フィリピンの経済格差>について

お伝えしました。

 

次回は、<フィリピンの証券市場>を

見ていきます!