引き続きフィリピンの歴史について
お伝えして参ります。
参考書はこちら
カテゴリーは以下の5時代です。
(1)スペイン統治前
(2)スペイン統治時代(←今回はココ)
(3)フィリピン革命
(4)アメリカ統治時代
(5)日本占領期
今回は【スペイン統治時代】について
考察して参りましょう!
300年以上にも及ぶスペイン支配
フィリピン観光の定番と言えば教会です。
石造の教会は私が一度訪れたことの
あるイタリアを彷彿とさせるように
明らかにヨーロッパの香りがします。
それもそのはず、フィリピンの中世は
スペイン支配による歴史なのです。
1529年のサラゴサ条約により、
フィリピン諸島を領有地としたスペインは
1565年にはレガスピ初代総督により
セブに拠点を築くと、
同年中には航海者ウルダネタらにより
フィリピンとメキシコを結ぶ
太平洋横断帰路発見の任務を
成し遂げたのです。
この航路はマニラ・ガレオン貿易に使われ、
フィリピンとメキシコを結ぶ生命線と
なりました。
この航路の発見により
1899年にフィリピン独立宣言まで
実に300年以上にわたるスペイン支配が
はじまりました。
江戸時代が265年ほどですから、
いかに長期間にわたりスペインに
支配されていたのかがわかります。
とは言っても、スペインは支配は
山間部や南部のミンダナオ島には
及ばない地域も多かったようです。
なぜかというと、イスラム他
他地域との軋轢に防衛費用が
かさんだからだと言われています。
スペインの支配が及んだところは
カトリック教徒になっていったんですね。
キリスト教とイスラム世界との対立
フィリピンに滞在すると
そこかしこでキリスト教の
匂いのようなものを感じます。
例えば、ネックレスはキリストの十字の
ものが非常に多く身に付けられていますし。
先ほども少しお話しましたが、
街中にはところどころに教会が
建っています。
また行事もクリスマスの盛り上がりは
当然としても、
他にイースター(復活祭)なども
国民レベルのイベントとして
根づいています。
【イースターで練り歩く山車?と住民】
スペインに支配された時に
持ち込まれたキリスト教(特にカトリック)
ですが、
フィリピン国民の中には
生活レベルでも溶け込んでいることが
感じられます。
日本で一番多いのは仏教徒ですが、
正直なところ、宗教色は薄いですよね。
それに比べると、フィリピン人の多くは
唯一絶対神を信じているように思います。
そこで問題となるのがフィリピン南部や
スールー諸島のイスラム勢力との抗争です。
キリスト教とイスラム教の戦いと言えば
十字軍遠征が名高いですが、
ここフィリピンでも両者の戦いが
行なわれていたのですね。
また、宗教問題での争いはキリスト教と
イスラム教の問題だけにとどまらず、
当初はフィリピン支配のために
布教されたカトリック信者間でも
支配者側と原住民との衝突がありました。
例えば1841年の
「アポリナリオ・デラクスルの乱」
が有名です。
このような衝突が絶えない中でも
300年以上に及ぶスペインによる
フィリピン諸島支配が続いたわけです。
ということで、次回はいよいよ
フィリピンのアイデンティティである
<フィリピン革命>について
お伝えいたします。
実はこのフィリピン革命は
ブラカン州マロロスと
かなり深いかかわりがあるのです!