前回は、人材のグローバリゼーションは
すでに始まっているのではないか?
というお話をしました。
今回は、それを受け、私が考える
「人材のグローバリゼーションを
逆に日本人が味方につける方法」
について、お伝えしたいと思います。
今回は、まずグローバリゼーションの
流れについて私なりの見解をお話しますね。
グローバリゼーションの展開
私が思うに、将来的には
世界は限りなくフラット化されるで
あろうということです。
約6年前に、いち早くそれを予言したのが、
こちらの書籍です。
当初は分厚くて読みにくかったのですが、
現在は<普及版>なるものが出ていますので、
だいぶ重量的にも読みやすくなりました。
で、この本の本質は
「これだけネットインフラが整えば、
業種によっては海外に業務を委託
することが容易になる」
ということです。
ましてや世界の共通語の英語圏に至っては、
計り知れない位のインパクトで
その影響を受けることでしょう。
といっても、日本人のあなたには
いまいちピンと来ないかもしれませんね。
しかしフィリピンでは、
すでに現実的にこの流れが
起こっているのです!!
止まらないBPO化の流れ
このことはBPOなどと呼ばれています。
BPOは、ある組織の業務プロセスの一部を
委託するものです。
一番わかり易いのがカスタマーセンターです。
例えば、あなたも家電製品や
携帯電話の会社に電話をしたことが
あるかもしれません。
そこで電話を受けるのは、
当たり前ですが生身の人間ですよね?
最初は自動音声が流れるかもしれませんが、
その後に話を聞いてくれるオペレーターは
人間なわけです。
そこで注目されるのは賃金です。
日本人であれば日本の物価に合わせた
賃金が必要です。
もし、これが途上国の人間だったら?
当然、賃金は途上国の賃金水準で
算出されるわけです。
つまり英語の話せるフィリピン人は、
サポートセンターなどの一部の
アメリカ国内の機能を
フィリピン価格で受託しているわけです。
これによって、アメリカ国内の雇用は
フィリピンに一部の機能が移転した分
減少しますよね?
これってかなりのインパクトでは
ないでしょうか。
もちろんクレーム処理などの
ナーバスな部分は一部アメリカ国内に
残るかもしれません。
それを差し引いても、
アメリカ人労働者にとって、
海外BPOは脅威だと思います。
ひるがえって日本はどうでしょうか?
「いや~、日本語をしっかりと話せる
フィリピン人なんて事業レベルの
人数はいないでしょう
まだまだ心配ないんじゃない?」
確かに、これも一理あります。
しかも英語圏と比べて、現在では
日本語を勉強しても日本に来れる可能性が、
かなり少ないですから、日本語の人気は
それほど上昇しませんね。
とはいえ、日本語のBPOビジネスは
中国の北部では結構盛んに
おこなわれているようです。
これだって本来であれば、
日本人の仕事であって然るべきものが
海外に流出しているわけですよね。
それにですね、逆にもし日本が
海外の人材をうまく頼れなければ、
上手に活用しているアメリカなどに
コスト面では国際競争力を失われる
可能性があるわけです。
上記のような理由から、今後ますます
“ジワジワ”と世界がフラット化していくと
私は考えるわけです。
将来は外国人労働力も国内に
さらに言えば、前回お話したように、
水が高いところから低いところに流れる
という自然の摂理のように、
長い目で見れば、途上国からは
賃金の低いところから高いところに
人間が入ってくる可能性も高くなっています。
なんせ一度堰を切った水は
一気に流れ込みますから・・・
その最後の砦だった観光ビザも
今年の春から順次緩和されています。
つまりトレンドは完全にフラットなのです。
その結果、これからは
◆どこに住んでいるか?(属地主義)
ではなくて、
◆何ができるか?(能力主義)
で賃金が変動していく世の中に
なっていくでしょう。
もちろん、10年以内に
完全にそのような世界に移行する
ということは考えにくいかもしれません。
とはいえ、20年たったらフラット化の状況は
もっと顕著になっているはずです。
つまり現在41歳の私は、
まさにボーダーラインのような
気がするんですよね。
私たちの子供の世代では
ほぼ限りなく世界はフラット化
していると思います。
※子供まだいないですが・・・
だからと言って、世界のフラット化を
恐怖に感じることはありません。
私はむしろチャンスであると思っています。
だからこそ、私は最大限の可能性のある
アジア、特にフィリピンに出ていくわけです。
【攻撃は最大の防御なり】
灼熱のアジアのことを考えるだけでも
期待で“うずうず”してきますね(笑)