5月9日に投開票のあったフィリピン大統領選挙ですが、ついにダバオ市長のドゥテルテ(Duterte)氏の当選が確定しましたね。

私が彼のことをしっかりと名前まで認識したのは今年2016年の2月ごろに過ぎません。

ちょうど、同じく大統領候補だったグレース・ポー女史の立候補資格が復活したというのがニュースになった頃だったと思います。

フィリピンでは相当名物市長だったそうですが、年に数回フィリピンに渡航している私でさえほとんど知らなかったのですから、普通の日本人は5月に入ってから初めて知ったという人も多いのではないでしょうか?

フィリピン国民からは相当人気があるドゥテルテ氏ですが、経済外交の手腕は未知数です。

いったい前任のアキノ大統領の政策を引き継ぐのでしょうか?

160530duterte

 

ドゥテルテ市の生まれはミンダナオ島ではない?

本題に入る前に少しだけ、ドゥテルテ氏の話を。

ドゥテルテ氏の生まれは実はダバオのあるミンダナオ島ではなくて、フィリピン中部にあるレイテ島だったそうです。

ドゥテルテ一家の出身は、もともとセブ島だとか。これは意外でしたね。

で、理由はわからないのですが小学校の時分にダバオに引っ越してきて、大学で法律家を目指して首都マニラに在住していた時期を除けば、ほぼダバオに在住しているようです。

1988年にダバオ市長に初当選して以来、その前の副市長時代も合わせれば、実に30年もダバオ市政に関わってきたんですね。

特徴は、圧倒的に大胆な発言行動力だと思います。

ダバオの治安を飛躍的に改善させたということで、以前フィリピンのダーティーハリーがいるという話を聞いたことが、モヤッとあるような気がします。

ちなみに今はフィリピンのトランプ氏の異名なので、どちらかというと日本では悪いイメージですよね(汗)

それもそのはず、私個人が思うに日本はアメリカの傘下に入っているので、アメリカの価値観で報道されることが多いからではないかと推測します。

実はそのことが、ドゥテルテ氏がアキノ大統領の政策を引き継ぐのかいなかの象徴みたいな感じになっています。

 

華人であるという事実、でも・・

アキノ大統領は、2011年に大統領に就任して以来、日本やアメリカとの関係を良好に保ち、かつ毎年6%の経済成長も遂げて、経済の安定を図ったという成果があります。

またまだ多大な効果は出ていないもののインフラ整備にも力を入れて、徐々にフィリピンという国の発展を目で見える形に導いていったのかなと個人的には感じています。

一方ドゥテルテ氏はというと、政策を引き継ぐも継がないも、基本的に元は法律家であった強みを活かし、政治家としての主な成果は治安回復、そして維持でした。

なので、経済・外交政策については甚だ未知数なんですね。

ただしヒントはあります。

ドゥテルテ氏の母方の出は中国だそうです。

なので当然ドゥテルテ氏には華人の血が流れています。

実際に、今でも親戚に当たる人が福建省に住んでいると言われているので、親中よりの政策になると思うのは普通ですよね。

ただし、ここで注意すべきは華人の血が流れているからといって、にわかに親中だとは言えないということです。

例えば、アキノ大統領も華人なんですから!

南シナ海問題に対する姿勢を問われた時に、「水上スキーで島に上陸してフィリピン国旗を立ててやる!」などと発言したように、100%親中という感じでもないのではないかなと思っています。

逆に、アメリカに従属はしないとは発言していますが、それはフィリピン人に本来からあるナショナリズムを煽る発言も多々あると私は思います。

では、一体どうなるのでしょうか?

 

結局、ドゥテルテ氏の政策はどう転ぶのだろうか

新フィリピン大統領候補ドゥテルテ氏はアキノ大統領の政策を引き継ぐのでしょうか?

正直なところ、そんなこと普通の日本人じゃまだ誰にもわかりません!

予想でしかいえませんよね。

ただひとつ言えるのは、フィリピンのような、我々からみたら失礼ながら未成熟な社会、国民性のもとに革命的な変化をもたらすためには、ドゥテルテ氏のように、半ば異端児ともいえる絶対的指導者が必要なんじゃないかなということです。

絶対的正義というのは、私はこの世の中には存在しないかなと感じていますが、それでもある時代に置いては国民みんながこれが絶対的正義だと喧伝できる指導者の元、まずは一つの公平的な正義を目指していくのが早いのではないかと思います。

そして、そのある程度みんなが納得できる絶対的正義を提唱でき、かつ指導できるリーダーが次期ドゥテルテ大統領なのではないかな思います。

ドゥテルテ氏には、どうにかしてフィリピンを経済的、文化的に発展する国家にしていただきたいものです。

期待も込めて・・・