いよいよですが、3日後の5月9日にはフィリピン大統領任期である6年に一度のフィリピン大統領選が行われます。
主要候補者は4人。その中でも頭2つ抜きに出ているのが選挙資格で問題となったグレース・ポー女史と今日の話題の中心となる現ダバオ市長のロドリゴ・ドゥテルテ(DUTERTE)氏です。
フィリピンのドナルド・トランプで名を馳せる
グレース・ポー女史はアメリカでの生活も長く(実際にそれが大統領選資格の問題にもなったのですが)、親米派であることに疑いようがありません。親米派ということは親日的な政策になるのではというのが日本の政治家や企業家の期待ではないでしょうか?
一方で、件のドゥテルテ氏ですが、かなり過激な発言をすることで話題になっています。実際に、時節柄、フィリピンのドナルド・トランプなんて世界でも言われ始めましたね。日本のマスコミもそんな風に論じているところが多いです。
で、このドゥテルテ氏、もし当選するようなことがあったら、物書きの私としてはドテルテかデテルテに表記を統一していただきたいくらいですが(ドゥテルテが打ちにくいし発音もしにくいので、笑)、
それはともかく最近の世論調査では、少し前まで1位だったグレース・ポー女史を抜き去り、1位に踊りでたというから一部の人にとっては穏やかではありません。※有力世論調査機関「パルス・アジア」調べ
中でも一番気になるのが、ドゥテルテ氏は果たして親米派(親日派)なのか、はたまた親中派なのかではないでしょうか?
ドゥテルテ氏の親中派度合いを調べられる限り調べてみました。最後にはドゥテルテ氏の娘さんのトンデモ話(動画あり)もご紹介したいと思います。
驚くべき事実がわかりました
結論からいうと、私の心象ではドゥテルテ氏は親中派ですね。
以下、各社ネット記事で確認できた記事です。
まず親中派だなという一番の理由はドゥテルテ氏の祖父がなんと中国人だということなんですよ。
どうやら彼の先祖(遠くない先祖、おそらくドゥテルテ氏の父でしょう)が福建省の出身らしいですね。
そして、実のドゥテルテ氏のいとこがいまだに福建省に住んでいる(中国人)ということです。
南沙諸島(スプラトリー)の人工島にフィリピン国旗を掲揚?
確かに中国に対しても若干強硬姿勢を見せるような場面はあるようです。
例えば少し前の発言では「国際仲裁裁判所で係争中の領土問題について、フィリピンが勝訴すれば水上バイクに乗って人工島に上陸しフィリピン国旗を立てる」なんて言ってるらしいですから。
確かにこの辺の発言はドナルド・トランプ氏にそっくりですね。というかドゥテルテ氏のほうが本家かもしれません。
だって政治家としてのキャリアは1988年の初当選を皮切りに1期3年の任期を延べ6期も務め、その他に後述する娘のサラ・ドゥテルテ女史の市長時代に副市長を務めた他、中間の1998年にはダバオ市から初の選出となる下院議員も務めています。
やり方には賛否両論がありますがダバオ市長としての実績はピカイチで、治安の回復面で言えばフィリピンで1~2位を争う安全な都市までにしています。というかある調査では世界で第8位の安全都市にもなったくらいです。※この調査の第1位が大阪市だったので、調査の基準自体に疑問は残りますが・・
ダバオのあるミンダナオ島というと、一応2014年に和平交渉が成立したモロ・イスラム解放戦線の拠点があるということだけクローズアップされて、非常に危険であるという印象がありますが、ダバオやカガヤン・デ・オロ、スリガオなどの都市は安全ということです。各都市を結ぶ山中が危ないと言われていますので日本人の移動は飛行機がいいでしょう。
ダバオで優れた点といえば、何よりもタクシードライバーの勤勉さが上げられるようです。フィリピンの、特にマニラ訪問で必ず洗礼を受けるタクシードライバーとの交渉を一切しなくてもいい(ちゃんとメーターを使ってくれる)ということなので6月の訪問が楽しみです(笑)
まあマニラとかセブを除けば、フィリピンと言えどそれほど危険な都市はないと思いますがね。
実際に3月に訪れたパラワン島のプエルト・プリンセサなどは全く危険な感じがしませんでしたので。
ということで、最後はドゥテルテ氏の娘さんについて。
父親譲りのやんちゃぶりで役所の人間をパンチ!
ダバオ市長はどうやら3期までのようで、2001年から3期を務めたロドリゴ・ドゥテルテ氏(父)に代わって2010年の改選では、娘のサラ・ドゥテルテ女史を擁立しました。
父のロドリゴ・ドゥテルテ氏は副市長に就任したので実権は握ったままだったんでしょうが、とりあえず娘のサラさんがダバオ市長になったわけです。
そこでハプニングが勃発します。
この動画をご覧ください。裁判所の執行官を何度も殴りつけたという事件です。
いくら嫌われがちなお役所さんに対するものとはいえ日本なら一発でアウトですよね(汗)
でも、役所をいじめるのは庶民の味方という感覚が日本以上に強いフィリピンでは、それでも即座に首とはならなかったようです。(その後裁判があったようですが、詳細はわかりません)
さらに言えば、つい先程現地のフィリピン人の知人からも聞きましたが、最近勃発した多額の資産隠しが噂されても、いまだにダバオの地元では人気が衰えてないとか。
いささか大衆迎合的、かつ暴力的なところはありますが、考えてみれば、暴力の矛先はいずれも悪い人間に限られています。
また観光業や庶民生活に悪影響を及ぼすタクシードライバーのあくどい商売もダバオでは皆無とか。
最初の話に戻って親中か親中じゃないかと聞かれたら100%親中派だとは思いますが、ドゥテルテ氏がフィリピン大統領になってもフィリピン人には悪くはないのかもしれません。
5月9日(月)の2016年フィリピン大統領選まで、あと3日です。