フィリピンは国民の83%がカトリックで、その他のキリスト教が10%ということで実に93%がキリスト教徒なんですね。※外務省:フィリピン共和国基礎データより
中には、新興宗教であるイグレシア・ニ・クリスト(Church of Christ・Iglesia Ni Cristo)のように、あまりクリスマスを祝わない宗派もあるのかもしれませんが、基本的には12月に入るとフィリピンはクリスマス一色になります。
カトリック信者にとってはクリスマスは一年でも有数の大切な行事の上に、親戚同士の集まりなどではプレゼントの交換があります。
そこで先立つはお金。一番手っ取り早いのは、お金を持っている人から施しを受けることですよね。
ということで日本人のような外国人は「チップチョーダイ」攻撃の絶好のターゲットになるわけです。
しかも日本では考えられないような人たちからのチップ要求があるのです!
そもそもフィリピンはチップが必要な国なの?
細かいお話をする前に、そもそもフィリピンにはチップの慣習があるのかなのですが・・・
あるといえばあるのですが、無いといえばないですね。
それというのもお金を持っている人が払うという風習があるので、たとえ日本人だとチップが必要だろうなという場面でも現地のフィリピン人は払わなかったりもするわけです。
なのでアメリカのようなガチガチのチップ社会では無いことは確かです。
アメリカだとポーターがあからさまにチップを受け取るタイミングを伺ってたりしますが、フィリピンだと特に貰える感じがしなければ帰ってしまいますから。
フィリピン旅行中のチップの目安については以前にも書きましたので参考にしていただければと思います。
Facebookでのチップ要求
ということでクリスマスの時期には、親戚や家族のメンツを保つためにもフィリピン人にはどうしてもお金が必要という事情があります。
これは何もフィリピンに足を踏み入れた場合ばかりではなくて、インターネット上でも同様の感覚を体験することができるので驚きです。
フィリピン人は非常にFacebookが好きで、なおかつ日本人の友だちつながりとかで結構な数のリクエストが来ます。(私だけ?)
まあ友だちになるだけなら特に困ることもないので、基本的には以前はすべて承認していました。
ところがクリスマス時期になると、なぜかメッセージが増えるのです。
時間があるときはチョコチョコ会話を交わすのですが、最終的に切り出してくるのが「ソロソロクリスマスデスネ」みたいな感じ(笑)
それでこちらの反応が得られなければメッセージをしてこなくなる場合もあるし、あからさまに「オカネクダサイ」なんていう子もいます!
まあほぼ満足に今までメッセージも交わしたこともないのに急にそんなことを言われたら友達解除しますがね。
そうです。彼女たちにとってはFacebookも営業活動のツールなのです。
まさかあんな職業の人までもがチップ要求!?
インターネットだったら、そっち系の人たちが、「オカネを送ってくれれば儲けモン」とばかりにメッセージしてくるのでわからなくはないです。
しかし、日本では考えられないような職業の人達からもチップの要求があったのです。
ちょっとフィリピンのことを知っている人の中ではわりかし有名ではありますが、なんとその職業とは「空港職員」
空港職員といっても、航空会社の地上スタッフではなくて公務員であるセキュリティや出入国管理官のような人たちですよ!!
私が最初にフィリピンに訪れたのは12月だったのですが、ちょうどクリスマスまで1週間という時期だったからなのか、空港のターミナルに入る時からイミグレーションを抜けるまでの間に3回チップ要求をされました。
しかも要求するときのセリフが「キモチクダサイ、キモチ」。この表現が一番多かったですね。完全に「気持ち」という単語の意味を勘違いしています(笑)
もう衝撃でしたね!
空港だと、使い残った小額紙幣がもらいやすいのかもしれません。でも気分はよくないですよね。これではフィリピンでせっかくいい思い出を作っても台無しです。空港の印象って大切だよな~
こうやってわかりやすい要求をしてくる場合は断ればいいだけですが、強制的に奪われる場合はさらに困ります。
メイドさえも盗人にさせるクリスマス
要求しても貰えなければ今度は泥棒です。
旅行者で言えば一番危ないのはホテルですかね。特に連泊だと部屋を空けるので要注意です。
セーフティーボックスがあれば使うのは有効ですが、あれって実はホテルの人間は開けられるじゃないですか。だってもし開けられなければ、鍵をなくしたりパスワードを忘れたりした時にどうするの?ってことですからね。
私は宿泊施設で働いていたこともあるので、そのあたりには懐疑的です。もっとも日本ではお客様のものを盗むという事件はあまり発生しませんでしたが。
海外旅行で私が使っている技は、鍵のかかるスーツケースやキャリーバックに貴重品を詰め込んじゃうってことです。
これで今まで盗られたことはありません。さすがに鍵が壊されていたりスーツケースが破られたりしていたら言い訳をしにくいんでしょうね。
とはいえ、知人でスーツケースの鍵を壊された人もいるので万能ではありません。しかもホテルの中でです。
この辺りの防衛策はどうしても自己責任になってしまいますね。
さらに言えば、いつも顔を突き合わせているメイドでさえもクリスマスの時期になると盗人を働く場合もあるそうです。
もちろん雇い主の勘違いも含まれているとは思いますが、複数の人が公言しているのでやっぱりあるのでしょう。
好き嫌いがハッキリ分かれる国、フィリピン
そんなこんなでフィリピンという国は結構癖がありますね。
手癖が悪い一方でホスピタリティは素晴らしかったりします。特に少し声をかけただけでも「Hi」と言ってくれたりすると、とっても心が暖かくなります。
以上のことから、フィリピンに行った人の話を聞くと、「もう二度と行きたくない」という人と「何回でも行きたいし癖になる」という人に分かれるような気がします。
なんだかんだ問題が山積みですが、もちろん私にとってはフィリピンはとっても見目麗しい国です!
最初の訪問がただの旅行だったら、もしかしたら嫌いになっていたかもしれませんが・・・
本当に人間万事塞翁が馬ですな。