11月18日、19日の両日フィリピンのマニラ首都圏でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が開催されました。まさに「無事」とつけても何らおかしくないフィリピン。
私の個人的な印象からすると、かなりの問題はあったものの国際首脳会議としては、まずまず成功したのではないかと思います。
出典:Reuters
フィリピン航空とセブ・パシフィック合わせて約1500便が欠航
フィリピンという国はなんとも大胆なところがありまして、大きなイベントがあると飛行機を止めたり、主要道路を通行止めにしたりします。
APECの首脳会談とくれば、21の国や地域の首脳が集まる国際会議ですから失敗は許されません。だとしたら、表現は悪いですが「臭いものには蓋をしろ」的な発想でなまじ制限をかけて通行させるよりも止めてしまったほうがいいのだと。
事実、フィリピン航空は国内外を合わせて約700便が欠航、損失は約23億1,200万円(1,875万米ドル)、セブ・パシフィック航空のほうは同約850便が欠航で、損失は約10億4,570万円(約4億ペソ)にも登ったということ。
道路の方も、マニラベイ沿いの主要道路であるロハス・ブルーバード(Roxas Blvd)や、そこに流入するほとんどの道路も通行止めになり、中には帰宅するのに数時間歩くことを要する人もでたようです。
クラーク国際空港の代替案はどこに?
以前にこちらの記事でも書いたのですが、少し前まではパンパンガ州のクラーク国際空港がマニラ空港の代替空港になる予定もありました。
ただしここは、NAIA・ニノイ・アキノ国際空港(マニラ国際空港)から100kmもあるので、確かにあまり現実的では無いのかもしれません。
とはいえ、道路か鉄道がしっかりできていればこういう時の非常用には使えますよね。
と半ば諦めだったのですが、日本のODAでようやくマロロス-ツツバン(マニラ)までの鉄道コンサルが実際に入ったので、建設もされるのではと期待しています。またNLEX(北ルソン高速道路)とSLEX(南ルソン高速道路)とを結ぶ連絡道路も現在すでに急ピッチで建設中です。
これらができれば、グッとマニラ国際空港空港から、とりあえずはマロロスあたりまでのアクセスが格段に良くなりますね。
あ、私、ブラカン州マロロスをこよなく愛しているもので(笑)
日米比の連帯感をアピール
さて話はAPECに戻しますが、最後にまとめますと、3国合同の首脳会談はなかったかもしれませんが、日米比の連帯感もアピールできたのではないかと思いますし、
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の参加首脳会議も開催されてTPP早期発行への連携確認も出来たようですし、日本にとってもフィリピンにとっても実りある会議だったのではないでしょうか?
南シナ海の領有権問題が議題に上がってこなかったことは少し残念でしたが、そこまでやってしまっては中国のメンツ丸つぶれという意見もあります。外交はほどほどがいいのでしょう。
私は来年2016秋ごろから、まずは1年間マニラに住んでみようと思っていますが、ぜひマニラを始めとしたフィリピン全土がフィリピン国民にとって住みやすい国になって欲しいですね。
人口ボーナスのある、世界でも有数の可能性のある国なのですから。